有る日突然虫が巨大化した。



大体、ほとんどの虫が1万倍ほどに膨れ上がった。
一万倍といえば大変な数字だ。
この日から人間の生活が全て変わり果ててしまった。


大体どの虫も体長が21倍くらいに増えた。



体長6センチのゴキブリが122センチに増えた。
今はもう冷蔵庫の下は小さすぎるためか、外に出てエサを探すようになった。


体長1センチのアリは、1メートルを越えた。
アリの巣は、熊の巣みたいに巨大になり、巣の中はさながら巨大地下街である。



トンボは、体長2メートルを越えた。
アメリカではトンボとぶつかって墜落するセスナが後を立たなくなった。



バッタは体長1メートル50センチだ。
畑という畑、また田んぼという田んぼは食い荒らされた。
そして体も大きくなったという事もあって、大陸を飛び越えて日本の田畑も襲うようになったのだった。




神奈川県の保土ヶ谷のマンションの庭に有ったアリの巣もある日突然巨大化した。
このマンションに住むごく一般的な四人家族の吉田さんのお宅も酷い目にあった。


まず、アリが作る巣が巨大となり、マンションの基礎を破壊してしまい、地番沈下してしまい、マンションはアリの巣に飲み込まれてしまった。
吉田さん一家も住む家を失い、路頭の迷った。


何しろ、この超緊急事態のエマージャンシーである。
他も同じように酷い目にあっている。
吉田さんはとにかく虫の居ない街を目指し、家を探しに言った。


だが、不動産やに向かう最中、運悪くカマキリに遭遇してしまった。
昔は、カゴに入れて遊んでいたカマキリもいまや、3メートルを越える怪物となって今、目の前にたちはだかっている。


そのカマキリの素早さや、強さは、ツキノワグマやライオンの比ではない。
吉田さんのお父さんの勉さん(47)は、必死で家族を護ろうとしたが、運悪く捕まってしまい、頭からカマキリにむしゃむしゃと食べられてしまった。


奥さんの美恵さん(43)と、息子の健太君(11)と、娘の涼子ちゃん(14)は父がカマキリに食われているのを後ろ目に涙ながらに不動産屋に向かった。



だが、その道中に美恵さんが蚊に襲われた。
以前だったら蚊に吸われてもただかゆかったりしただけだったし、血を吸われても何番分の?グラムくらいだったろうが、何しろこのご時世である。
蚊のでかさは60センチくらい有る。ちょっとしたタカやワシクラスの大きさだ。
そんな奴らに吸われる血の量といったら大変な量で、蚊に血を吸われた美恵さんはすぐに貧血になって真っ青になってぶっ倒れた。


その貧血の母親をおぶった息子の健太君は姉の涼子ちゃんと一緒に不動産屋に向かった。


だが、運悪くクモの糸に引っかかってしまった。
昔はそんなもの払いのければ良かったが、だが今はこんなご時世だ。
クモの糸も巨大になって、糸の太さもトラックの縄くらいある。
その縄にひっついたベタベタが容赦なく3人を襲った。


何しろ、ものすごい粘着力で引き離さない。
しかも、この巣は運悪くクモの中でも大型の足長クモの巣だった。
2メ−トルを超える巣の主が現われると、つい健太君(11)はおもらししてしまった。
よく見ると、巣のあちこちでは、糸でぐるぐる巻きにされて死んでいる人達がたくさんいた。


健太君は恐怖に慄きながら、死を一瞬覚悟したが、運良くその時は、ポケットにジッポが入っていた。
健太君は、けしからん事に11歳だというのに、こっそりタバコを吸っていた。
ジッポで糸に火をつけると巣は激しく燃えた。
そして2メートルを超える巣の主はメラメラと勢い良く燃え息絶えた。
それで何とか3人は命からがら逃げる事が出来た。




続きはまた明日。

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柳

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