三日前に、中国人の同僚と「イジメ」について熱い議論をした。



その中国人の同僚はこう言い放った。「なぜ日本ではイジメされて、死ぬですか?イジメされて自分で死ぬ人は、どうしてイジメする人と戦わないですか?」




・・・



とまぁ、中国ではイジメを受けて自殺をするという事が信じられないらしい。
聞けば、中国でもクラスで無視されたり、人気を集められない奴も居るそうだが、決してイジメられて自殺する事なんて無いそうだ。







ちなみに、日本社会では、滅多な事でイジメにあった子は、反抗したりしない。




そこには、日本社会にある、残酷なまでの身分制度があるからである。





どの学校、どの社会においても、人間関係において、全ての人が完全な平等というのは有り得ない。
どの学校でも社会でも見えない身分制度が存在する。





そして、その身分は、外見や、その人の雰囲気や色々な要素で分けられる。



もっと言ってしまうと、女の子に例えれば、見た目で身分が振り分けられ、ブスな子はブスな子とつるみ、綺麗な子は綺麗な子とつるむ。
そういうように自然と身分が分けられ、日本人はその身分に粛々と従って生きるのだ。



だが、とある日、もし物凄く綺麗で可愛い転校生の女の子が来て、クラスの男達の人気を全部集めてしまったらどうだろう?
恐らく、そのクラスの一番上の身分のグループの女の子達は面白くないだろう。
そして、その綺麗な転校生を無視し、そして悪い噂を流すようになるかもしれない。あまつさえ「あいつは男子に媚びを売っている」といったような事を言い出すかもしれない


で、何故その綺麗な転校生は嫌われてしまったのか?それは、彼女が、今まであった身分社会におけるパワーバランスを崩してしまったからだ。



日本人は、その身分社会において、パワーバランスを失うのを一番嫌う。そして日本人は、その身分社会のバランスが崩れるのに物凄く不安になるのだ。


だから、名門校の野球部では、野球のムチャクチャ上手い下級生は必ず上級生に苛められるそうだ。
それも、この下級生が野球部内に存在する微妙な「パワーバランス」を崩したからにほかならないからだ。



そして、そのパワーバランスの中で、身分の下の物が上に逆らう事はどう世間では言われているか?
それは「生意気」だとか「調子に乗っている」だとかいう表現で言い表される。




さて、その日本社会における身分制度の中には、ただ上下関係だけが存在する訳ではない
さわに、上限関係に加えて「役割分担」まで決まっている場合が多い。



例えば「ご意見番」の人もいれば、さらに「笑いを取る役」「綺麗所」「ツッコミ役」「調停役」等々・・・・



その役割分担は、その人の性格や見た目の雰囲気で半ば強引に決められ、その役割分担はそう滅多な事では変わる訳ではない。



だが、可愛そうな事にこの役割分担では、悲惨な役割も存在する。それは「イジメられ役」
この役は、ただみなの優越感を充足されるために用意された生贄のようなものであり、この役があると、非常にクラスの身分制度のパワーバランスは安定する。いわばこの身分社会では「必要かつ重要な役」であるのだ



この「イジメられ役」は上の凄く綺麗な転校生や、野球の上手い下級生とは違って、パワーバランスを崩したから苛められている訳ではない。



その「イジメられ役」になってしまう子は、大概、何か勉強面や運動面で激しく皆から劣っているか、それともコミュニケーション能力において皆から劣っている場合が多い。



そして、その「イジメられ役」になってしまうと、悲惨な学生生活を歩む事になってしまう。
そして、日本社会ではそのイジメられ役が上の身分の人間に反抗する事は決して無いのである。



日本社会では、社会から孤立する事は「死」を意味する事が多い。
長い間、島国で閉鎖的な「村」社会で生きてきた日本社会で、孤立する事は難しかった。



ちなみに、イジメられ役が、上に逆らう事は、社会からの孤立や、そのクラスの社会からの決別を意味する。



つまりは、「イジメられ役」になってしまった子は、上に逆らって孤立するか、そのままイジメられる日常を受け入れるかどちらかしか、選択肢が無い。
そして両方とも受け入れられない子が自殺と言う選択肢を選んでしまうのだと俺は思う。



ちなみに、親に言わない理由は何故か?


ちなみに中国ではイジメられた子は、必ず親に言うそうだ
そして親は学校に怒鳴りこむらしい。



だが、日本ではイジメられっ子が親にいじめられている事を言うのは珍しい事である。



それは、日本社会では、イジメられっ子は、その身分制度において、「イジメられ役」のポジションを与えられてしまった事に関して責任を感じてしまうからである



イジメられる=身分制度で低い地位しか獲得できなかった



その事が非常に親に申し訳無く思えてしまい、そして「低い身分を受けてしまった」事にかんして罪悪感を感じ、自分を攻めてしまう場合が多いので、上からのどんな理不尽なイジメでも、反抗せずに受けてしまう事が多い。




日本人と言う人種の多くは、自分1人の価値観や考え方を持つ事は珍しい事だ。
日本人は、その身分制度やクラスや職場で決められた「掟」や「ルール」に従って生きている人間がほとんどだ。



例えば、中学や高校で、女の子がみな同じ格好をするのも、そのクラスの身分制度の上の人間が決定した「掟」や「ルール」にみな従っているに過ぎないからだ。





そういう見えない身分制度を無視して「イジメはいけない」だとか綺麗事を言った所で何も解決はしない。
もし「イジメ」を根底から無くそうと考えたならば、「完全な孤独」を受け入れるか、その身分制度をぶっ壊すしかないのである。
でも、調和を重んじる日本社会ではそんな事は出来っこない。だからイジメは無くならない。




ちなみに中国は大陸文化だ。別にその社会で無視されても次があるのだし、それに中国の歴史では何回も王朝が変わってきた。
いきなりその身分制度が180度コロっと変わってしまう事も何度も合った


だから、「孤立」する事に日本よりも恐怖感を抱かないから、イジメられっ子はいじめっ子にも反抗できるんだろう。

コメント

nophoto
ニックネーム無し
2007年6月25日2:15

とってもよく考えましたね。
興味深く読みました。
いじめられっ子は耐えるしかないのですね。
柳さんも耐えてきたんですね。
これからも頑張ってください。
柳

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